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  • 特集

  • 2017.07.20

エクオール特別対談企画

エクオール特別対談企画

女性医療をもっと身近にー

女性ホルモンによる影響を大きく受ける女性の心と身体。
―もっと女性のための医療・施設が必要―と語る医師の診療にかける想い、ライフステージに合わせた対策法、女性に嬉しい栄養成分「エクオール」についてなど、お話を伺いました。

女性医療のポイントは話を聞く(傾聴する)こと。

石垣院長
女性の受診者との何気ない会話の中に重要なメッセージが隠されていることがあり、健診結果のみに注目するのではなく、まず受診者の声に耳を傾けること、傾聴が何より重要だと思っています。
私自身が話しをすることが好きなので、受診者のお話しを聞くのは苦になりません。
実際、検査では異常はないのですが、イライラ、疲労感、不眠など何となく体調が悪く、不定愁訴または更年期障害として片づけられている方々の中に重大な病気が隠れていたという方もいらっしゃいます。

東北で初の女性専用健診施設「せんだい総合健診クリニック」

石垣院長
性差医療の幕開けの時代でもあり、女性に特化した健診の重要性を痛感していたこともあり、男性と女性の性差を考慮にいれた予防医療の実現を目指して「せんだい総合健診クリニック」は誕生しました。
当クリニックは生活習慣病のリスクを早期に見つけることを目的にした「健診」と、特定の病気、たとえば胃がん、肺がん、乳がん、子宮がんなど早期に見つけて治療する目的の「検診」を組み合わせた予防医療を提供しています。
当クリニックの特徴的なところは男性と女性が完全に別フロアになっており、女性専用フロアは医師も含めて女性スタッフで対応していることから、女性に優しく、安心して受診頂ける施設になっています。
女性は生涯において、男性よりも心身が大きく変化します。初潮が始まってから月経が安定するまでの時期を思春期、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌、月経周期が安定する時期を成熟期、閉経前後の時期を更年期、そして更年期以降の時期を老年期とわけることができます。
こんなにも、様々なライフステージを経験する女性と男性が画一的な同じ検査で判定されることに違和感を感じ、それぞれのライフステージに即したオーダーメードな医療ができないものかと模索した結果、女性に特化した健診クリニックの実現へと繋がっていきました。
私自身、予防医療、健診の重要性をとても感じていた一人だったので、精度は何より重要と考え、開院当初から乳がん検診ではマンモグラフィーに加えて乳房超音波を導入し、子宮がん検診ではHPV、経膣超音波検査を早期から取り入れてきました。

不調を我慢しないで。ライフステージに合わせた健診を。

吉形医師
ちょっとしたことでも不調や不安を感じたら、我慢してやり過ごすのではなく、婦人科の検診を受けたり、医師に相談してみてください。「ちょっとした体調不良」「年のせい」と放置しがちなことも、実は対策可能なことが多いんです。
例えば、更年期も必ずやってきますが、症状がでてから受診するというよりも、生理が不順になったり、パターンが少しかわってきたことを指標にして婦人科に相談していただくと早いうちから対策が出来ます。
私は、不調が起きてからではなく、できれば若いときから婦人科のある健診施設を受診してほしいと思っています。「婦人科」というと構えてしまったり、行きにくいと感じる方もいるかもしれません。でも、早いうちから主治医と関係性を作ったり、健診に慣れておくことはとても大切です。女性の身体はその世代によって、注意したい症状や病気も異なります。
私のクリニックでは女性のライフステージに合わせた健診メニューを準備して、世代に合わせた検査、治療、予防対策を提供しています。
「ホルモンの影響」を受ける女性の身体はとても繊細です。何でも相談できるかかりつけ医として、お付き合いしていきたいと思っています。

健診と診療を一貫して行う「浜松町ハマサイトクリニック」

吉形医師
「浜松町ハマサイトクリニック」は、健診と診療の両方を行っています。そのため、健診や人間ドックの結果から、内科・婦人科の治療まで一貫して行える施設です。婦人科では更年期専門外来も行っています。石垣先生のお話しにもありましたが、女性の身体は世代とともに変わっていきます。特に閉経前後の更年期でドラマティックに変化し、月経周期が安定している時期とは必要なケアも大きく異なります。
一般的な女性健診では子宮頸がんと乳がん検査が追加になっているだけということも少なくありません。それだけでは、細やかな変化を見ることは難しいんです。
当院の場合は、20代前半で内診台に上がる練習、子宮や卵巣の検査から始めて、20代後半くらいから、結婚、妊娠、出産、必要な機能は大丈夫か、妨げになるような疾患はないのかをチェックしていきます。40歳ころになってくると、卵巣機能が変化してきます。生活習慣病にかかるリスクが増えてくるのもこの頃です。それにともなって潜在化する動脈硬化、骨粗鬆症などをチェックしていきます。更年期を終えて、老年期に入ってくると、潜在的なところが、顕在化してきます。特に骨粗鬆症に関しては、リスクを早く見つけて対応したほうが良いですね。骨粗鬆症は男女差が大きい疾患のひとつです

「我慢は美徳」と考えないで

石垣院長
更年期症状にはかなり個人差があります。年齢だからと割り切っている方もいらっしゃいますし、毎日何もやる気がおきない、ホットフラッシュなど日常生活が苦痛でしかたない…など人によって異なります。更年期症状に関しては、我慢は決して美徳ではありません。
お話しを聞いているだけで自分なりに整理をつけて解決していく方もいらっしゃるくらい、まずはしっかり話しを聞いてもらえるところを探すことが大切だと思っています。
お話しを聞いているだけで自分なりに整理をつけて解決していく方もいらっしゃるくらい、まずはしっかり話しを聞いてもらえるところを探すことが大切だと思っています。
しかしながら、一般病院は具合が悪い患者さんでいっぱいですし、なかなか不定愁訴の方のお話しをゆっくり時間をかけて聞いて下さるところはありません。我々のクリニックは本来は健康である方々が、年一回ご自分の健康状態を確かめに受診されるということもあり、他では聞けないご自分の悩みや心配事を気軽に、遠慮なく話すことができる時間になっています。
今は情報過多の時代ですので、テレビで新聞でネットでみた症状と自分がぴったりでずっと悩んでいたという方がよくいらっしゃいます。「大丈夫、心配ないですよ。」という魔法の言葉によって霧が晴れたように安心され、笑顔でお帰りになられるという方も多くいらっしゃいます。
気楽に、リラックスしてお話しできる場所が、先生が、増えたら多くの病気は減り、国民の健康度はきっと上がると信じています。
病気の根源は不安から生じています。ですから、日本の医療費削減には心を傾けて聴く「傾聴」こそ、我々医者の大きな仕事の一つだと信じて疑わない私です。
傾聴に時間をかけることにより、体調不良の原因、あるいは生活習慣の歪みにご自身で気づき、予防や改善に導く医療こそ、未来の医療だと思っています。

吉形医師
これは考え方のひとつですが、私も健診で年に一度位だったら、遠くても通っていいと思っています。医療ツーリズムではないですが、旅行とセットにするなど。居心地が良いところを見つけ継続して通うことが、健康維持にもつながると思っています。
ハマサイトクリニックも港区という立地もありますが、東南アジア、ヨーロッパ、アメリカなど海外に住んでいる方が、一時帰国をしたときに寄ってくださるようになりました。
何年も診ていると、その方のパターンというか生活習慣や家族構成などの環境も理解していますので、病気やリスクを見つけだす可能性は高まります。

未病の段階で大病になるのを防ぐ

石垣院長
私が予防医療に傾倒するきっかけは、ステージが高いがん患者様の診察にあたった時、もう少し早くにお目にかかっていれば…という悔しい思いからです。たくさんの方々に多くのチャンスを持って頂くためには予防医療の実践しかないと固く決意し、病気を診る医師ではなく、病気にさせない医師になりたいと強く思うようになりました。
検査を受けても異常が見つからず病気と診断されないまでもなんとなく具合が悪く、健康ともいえない状態、いわゆる「未病」の段階で今の身体の状況を知ってもらい、今後病気にならないようにするにはどうすればいいのかを一緒に考え伴走する予防医療、予知医療の重要性は明らかです。
病気は生活習慣や生き方の癖などから生じています。ご自分の日ごろの習慣、癖に気づいてもらい、軌道修正することによって本物の病人にならないと私は日々説いています。お薬を出すだけが医療ではなく、我々がお手伝いできることはたくさんあります。
時代はまさに予防医療、予知医療にシフトチェンジしています。じっくりお話しを聞きながら、お一人お一人の輝ける人生の伴走者になりたいと思っています。

女性に摂ってほしい成分「エクオール」

吉形医師
エクオールの研究を続けていく中で、更年期症状の緩和、生活習慣病の予防などに効果があることが分かってきました。私のクリニックの患者さんにもエクオールの摂取をおすすめしています。更年期症状でお悩みの方や、ホルモン剤卒業の準備として併用されている方、骨や血管の健康を意識して摂られている方などがいらっしゃいます。
エクオールはイソフラボンから体内で作ることができる成分ですが、日本人で作れる人は2人に1人。最近の研究では3人に1人と減ってきていることがわかっています。
私は、体内でエクオールを産生できる方と、できない方の大規模調査(743名)も行ったのですがこちらの調査では、エクオールを作れる人は、体脂肪、内臓脂肪面積、動脈硬化、中性脂肪などにおいて良い結果が示されました。
更年期症状の緩和だけでなく、エクオールには女性の健康をサポートする様々な働きが期待できると考えています。

ラクトビオン酸の働きと腸内フローラのお話

吉形医師
エクオールを研究する中で、一緒に効果を底上げしてくれるような何かがないかと探していました。
私は更年期以降の女性が健康に快適に暮らしていくためには骨が肝心だと思っています。だからエクオールと一緒に摂って骨にも良い成分がほしかったんです。カルシウムやビタミンD、ビタミンKも考えましたが、食品やサプリメントで簡単に摂取できますので、もっと他にも何かないかと…。そんな時に出会ったのが「ラクトビオン酸」です。
最近は「腸活」といって、腸内フローラのバランスを整えるのがブームですよね。ラクトビオン酸はそんな「腸活」に良いといわれるオリゴ糖の一種です。実はその働き以外にも、「カルシウムの吸収を高める」・「エクオールの産生をサポートする」といった働きを持つ、嬉しい成分だったのです。

石垣院長
私もエクオールのファンです。ラクトビオン酸が一緒に入っていることも大きな魅力です。
腸内フローラをバランスよく保つためには、納豆食品や発酵食品を上手に摂るよう心がけたり、ヨーグルトでも一種類に偏らずビフィズス菌、ガゼリ菌、乳酸菌などたくさんの種類の菌を摂取することを心がけています。
昔のひとは腸内にたくさんの菌を保持していましたが、現代は空前の除菌ブームで、菌を排除する生活になりがちです。善玉菌だけでなく、悪玉菌、日和見菌の適度なバランスが必要でいろいろな菌と仲良く共存していくことが大切だと思っています。

お二人の健康管理方法とは

石垣院長
私は周りから、「先生はどうしていつもそんなに元気なんですか?」とよく言われます。自分自身ではあまり意識したことはありませんが、執着が少なく、物事にあまりこだわらない性格なのかもしれません。
「~ねばならない(must)」ということが少なく、常に「~かもしれない(may be)」と好奇心旺盛なところも元気の一因かな…と思っています。
日常的に心掛けているのはウォーキングです。一日〇〇歩とか〇分とかではなく、いつもよりちょっと遠くに、ちょっと長くを心がけ、できれば速足でサクサクと闊歩しています。ウォーキングはセロトニン、ドーパミンなどのホルモン分泌もよくなることから肌力アップにも役立っているような気がします。

吉形医師
私が心がけているのは腸活です。腸内環境が良くなると免疫力が上がったり、お肌の調子が整ったりと良いことが多いですよね。発酵食品や食物繊維が豊富な食材を日々の食生活に取り入れています。おかげで花粉症の症状がかなり緩和されました。
それからビタミンEやビタミンDも女性におすすめのビタミンです。アボカドやナッツ類、鮭などに含まれているのでこちらの食品もよく食べています。
あとは石垣先生と一緒ですが、歩くこと。私は患者さんによく骨貯金をおすすめしているんです。年齢と共に骨量も下がっていきますので、骨も貯めておくことが大切です。歩くことは筋肉だけでなく骨にもいいんです。私は万歩計などで、家から駅まで歩くと○○歩、など自分の中で目安を作るようにしていて、少ない日は一度帰ってから買い物に行くなど意図的に歩く機会を増やすようにしています。ちょっとの工夫で身体は変わっていきますから、今の自分にできることを続けていきたいですね。