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  • コラム

  • 2018.06.01

産婦人科専門医に聞く!えっ?これも更年期の症状!?

産婦人科専門医に聞く!えっ?これも更年期の症状!?

更年期のお悩みはホットフラッシュや発汗など、よく聞く症状以外にも実にさまざまです。
産婦人科専門医の吉形先生に、他にどんな症状があるのか教えていただきました。

関節痛

もしかしてリウマチ?と不安になる関節痛ですが、更年期の女性に多く見られる症状の一つです。関節の動きが悪くなり、手指のこわばりや痛みが出たりすることがあります。リウマチと更年期の関節痛は区別がつきにくく、整形外科などを受診してリウマチではなかった場合には更年期症状の一つかもしれません。こうした症状は加齢や女性ホルモンの減少による関節の変形、軟骨や筋肉の衰え、血液循環不良によって起こると考えられています。

関節痛

喉のつかえ

なんとなく喉のつかえを感じる、食べ物が飲み込みにくい気がする、これも更年期の女性によくある症状です。更年期の女性に限らず、ストレスを多く感じていると起こりやすい症状ですが、更年期には自律神経のバランスが崩れやすいことから喉のつかえを感じやすくなると考えられています。また口腔内の渇き(ドライマウス)を感じることもこの世代には多く見られ、女性ホルモンの減少や食生活の乱れなどから、唾液の分泌量が減少したり、口腔内が乾燥しやすくなることが示唆されています。

動悸・息切れ

運動をしたわけでもないのに急に心臓がどきどきしたり、寝る時にドクッ、ドクッと鼓動を大きく感じたり…もしかして重大な病気では?と不安になる人も少なくありません。実は更年期には女性ホルモンの急激な減少から、自律神経のバランスが崩れ、こうした動悸や息切れもよく見られます。また、血圧も女性ホルモンの減少で変わるものの一つ。特に更年期には大きく乱高下し、いろいろな不調につながっていきます。

動悸・息切れ

睡眠障害

以前のように長く、深く眠れなくなったというお悩みが増えていくのも50歳前後のいわゆる更年期です。のぼせや寝汗で夜中に目が覚めてしまう、不安感や胸が苦しくて寝付けない、手足が冷える、トイレが近い、などなど…さらに、年を重ねるにつれ眠りのホルモン「メラトニン」も減少します。また、心配事やストレスが重なると良質の睡眠をとることが難しくなります。

乾燥・しわ

女性ホルモンは別名「美容ホルモン」とも呼ばれお肌に密接に関係しています。女性ホルモンはコラーゲンの生成にも関わっているため、更年期には女性ホルモンの減少からシワやたるみ、肌の乾燥を感じやすくなります。

乾燥・しわ

更年期の症状はさまざま

更年期とは閉経前後の約10年間のことを指し、個人差はありますが40代半ばから50代半ばになります。この時期には女性ホルモンが急激に減少することから、今までとは違った体や心のさまざまな変化が起きます。例えばホットフラッシュ(ほてり)や汗、イライラなどがよく知られていると思います。こうした症状を更年期症状と呼びます。
更年期症状は体の症状と心の症状にわかれます。細かく言うと何十種類もあって、体の症状の中には汗やほてり以外に頭痛・肩こり・関節痛なども入ってきます。動悸、ドキドキして心臓が口から出てきてしまいそうな感覚などさまざま。心の症状はイライラや不安感、やる気が出ない、気分の落ち込み、など感情のコントロールが難しくなるといった症状が多いです。
原因が何なのかわからず悩む方も少なくありません。今までと違った変化が長く続いたり、例えば関節痛で整形外科に受診しても原因がわからなかった、というようにはっきりしない時は更年期症状かもしれません。

感じ方も人それぞれ

更年期症状の感じ方も人それぞれで、重い方もいれば軽い方もいらっしゃいます。とても症状が辛くて日常生活に支障をきたしてしまう場合(更年期障害)もあれば、「私は更年期症状を感じなかったわ」という方もいらっしゃるくらい個人差が大きいです。年だから、時期が過ぎれば、と我慢してしまう方もいらっしゃいますが更年期障害は病院で治療を受けることができます。更年期障害の診断がついたらホルモン剤など薬での治療ができますし、漢方やサプリメントといった代替療法もあります。ご自身の症状やお気持ちに合わせて、適切な対策が取れるといいですね。まずは一人で悩まず、家族や友人に相談してみたり、かかりつけの医師や婦人科を受診してみてください。